日本で一番多い性感染症「クラミジア」について
こんにちは、ドクター林こと林雅之です。本日のテーマは「クラミジア」についてです。日本で一番多い性感染症がこの病気です。
クラミジアを引き起こす病原体は、クラミジア・トラコマチスという細菌の一種です。粘膜との接触で感染します。HIV(エイズウイルス)が1回の性行為で感染する確率は1%未満ですが、クラミジアは約50%と感染力が強いことが知られています。しかも、男性では50%、女性では70~80%は症状が出ないといわれています。ですから女性が気づかないまま男性にうつしているケースが多いのです。
感染場所はセックスによる尿道や子宮頚管への感染、オーラルセックスによる咽頭感染、肛門性交による直腸感染などが有名です。
なかには感染者の体液が目に入ることで、クラミジア性結膜炎という目の病気を起こすこともあります。その場合は病原体が目と鼻をつなぐ鼻涙管を通って鼻腔へ移行、そして咽頭へ感染するという場合もあるといわれています。
男性のクラミジア感染で最も多いのが「クラミジア性尿道炎」です。尿道のかゆみや違和感、不快感などが出ます。経験のある人も多いのではないでしょうか? 感染から1~3週間後に、尿道口から水っぽい白い分泌物が出ます。しかし症状が軽いため放置してしまうことがありますが、これは危険です。実は放置していると精巣上体炎を発症する恐れがあり、男性不妊の原因になるからです。副睾丸が腫れて痛いので調べてみたら、クラミジアが原因だったというケースが少なくありません。いまは良い薬がありますので、症状があれば病院に行ってしっかり治療してください。